江國香織のつめたいよるに「デューク」
浪人時代の経験から、私は何か本を読み切った時に思考力などがアップする傾向があると判断したので読書を再開しようと思います。
まずは江國香織作品を読みたいと思います。今回は、私が小学生の時にちらっと読んだ「つめたいよるに」を読み返します。
今回はその中で「デューク」を読みました。この話は、可愛がっていた愛犬「デューク」と死別した女性の話です。
この話の冒頭で主人公の女性はデュークが亡くなった悲しみのうちにアルバイトに行こうとしていました。その途中でハンサムな少年に出会いました。その日はアルバイトを休み、その少年とデートをすることになりました。
その少年はデュークが好きだったものと好みが全く同じで、その少年とデートをしているうちに、主人公の女性はその少年の好きなものがデュークと同じだということに気づき、憂鬱な気分になっていきました。
そのデートも終わって別れるときに少年は「今までずっと、僕は楽しかったよ」と言いました。ここで、その少年の正体が亡くなったデュークなのだと判明しました。
私が思うに、その少年は主人公の女性が作り出した空想の少年であり、ハンサムな少年に見えたのはデュークに対する愛が深かったことを意味していると思います。その少年がデュークと好みが同じだったことは、デュークとの思い出を作り上げて再現しているからだと考えられます。