医学生(2年)桜井のブログ

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自主ゼミナールさくらんぼで発表した救急医療②

前回の続きをお話いたします。

救急医療において私が最も重要だと感じたのは一次救命処置です。一次救命処置とは心肺停止状態の傷病者に対して胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行ったり、AEDを使用したりして救急車などが到着するまでの間に処置を行うことです。

 

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上の図から分かる通り、何も適切な処置を行わなければ心肺停止状態になってから1分経過するごとに生存率が大きく低下していきます。たった4分で生存率が50%まで下がり、5分では25%、10分では0%になってしまいます。救急車を呼んでから救急車が到着するまでの平均時間が8分30秒であることを考えたら、何もしなければ「救急車が来ても意味がなかった」ということになります。多くの人々は患者の治療は病院でやるものであると考えているのかもしれませんが、救急医療においては救急車が来る前にどれだけの処置がなされているのかが重要になるため、その場にいる人の役割が大きいと感じます。そして、その場にいる人は医療関係者・救急隊以外の人である場合が大多数のように思われます。

また、AEDを使用した後も胸骨圧迫を続けなくてはならないことも学びました。

救急医療においてはどのような人であれ、その場にいる人が重要な役割を持つことから、救急講習を定期的に行うことが重要だと感じます。多くの人は中学・高校で習ってからあまり講習を受けていない現状のように感じます。しかし実際にはいつ誰にでも起こり得ることであるのでその時に備えておかないといけません。ただ、職場において頻度が多すぎたり、休日に講習を行ったりするとただ受けるのが面倒なものになってしまい、機械的に受けているだけで内容が入って来ないということにもなる気がします。なので、救急搬送が多い月、その前の月に行うべきだと考えます。

講習においても例えば、正月に餅をのどに詰まらせて窒息するなど、具体的で身近に起こり得ると容易に分かる例を出すべきだと感じます。正直、道端で人が倒れている例を出しても、それはあまり起こりそうに思えず、自分には対岸の火事であるように思えてしまうように感じます。

https://cocomedica.jp/news20200121/

これに書かれている通り、2018年において救急車の出動件数が過去最高の661万件になり、国民の約21人に1人が救急車によって搬送された計算になりました。しかし、実際には全体の約5%でしかないため、ほとんどの人が自分には無関係と感じてしまうかもしれません。

救急医療においては医療関係者以外の人も物凄く重要だと感じました。

長くなったのでここで切ります。