医学生(2年)桜井のブログ

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動物実験の感想とその実習書を読んで感じたこと

先週に医学科専門で10月初めから6週間にわたる実習が終了しました。実習と言っても、実験を行うという内容であるので実習とは呼べないものかもしれないのですけど。実習内容としては、タンパク質・酵素塩基配列解析・PCR増幅・ゲノム情報解析・動物実験がありました。当然の事ですが、私自身それらをやりましたが実際には深く理解出来たとは言えません。実習書なしで同じ実験をもう一度やれと言われても今の私では不可能です。

その中で最も印象に残った動物実験についてお話いたします。まず、動物実験動物実験センターという所で行いました。他の実習室とは異なる建物に存在します。

動物実験にはマウスを用いました。最初に、マウスの雄と雌の判別をし、体重を計ったり、心拍数を計ったりしました。そして、班のメンバーでマウスを保定の練習をしました。保定とは、動物が動かないように押さえておくことです。そして、班員が注射をしました。申し訳ありませんが、注射した場所は両腹部であったはずですが、断言出来ません。私は麻酔薬を注射する役割を与えられました。麻酔を行うのはマウスに苦痛を与えないようにするためです。その後、静脈から採血をしました。最後に、電気泳動を行ったりして遺伝子モニタリングをし、マウスの系統名を判別しました。私自身、動物を扱ったのは今回が初めてなので操作に手間取ったりして、記憶があいまいで申し訳ないです。

実習書には動物実験の統御として、①環境統御 ②微生物学的統御 ③遺伝学的統御 が存在すると書いていました。また、3RsとしてReduction(削減)、Replacement(代替)、Refinement(改善)が存在します。Reductionは使用動物の削減、Replacementは

試験管内実験などで代用する、Refinementは出来る限り動物に苦痛を与えない

ということを意味します。

環境統御では温度・湿度・気圧・気流速度・換気回数・塵埃・落下細菌・臭気・照明・騒音などの管理をしないといけません。微生物学的統御・遺伝学的統御に関しては説明が長くなりすぎるのでここでは省きます。

環境統御だけでも物凄く手間と費用がかかる気がします。そして、その技術を持っている人が管理をしないといけないような気がします。それを考えると、動物実験施設を作るのにもしっかりとした計画が必要であり、何処にでも作れるようなものではないように感じます。これに加えて微生物学的統御・遺伝学的統御が加わるとなると設置可能な場所は限られてくるように感じます。

大病院を作ることになるとすれば、より多くの機器が必要になったりして手間と費用が大きくなるように感じます。私自身、地元の札幌医科大学を受けていた時期は面接対策として、医師不足の解消方法を考えたりしていて「医師の少ない地域に行ってくれる人を募集して、卒業後にその人たちをそこで働かせて、その対価として奨学金返済を免除する制度を発達させて、その制度の認知度を高める」等と考えていました。この実習書を見た現在、「そもそも、そのような地域に行きたい人が多かったとしても十分な設備を整えること自体が財源を考えたら難しいのではないか」「大病院を何処に設置するにしても何処に設置するのかという判断が難しいのではないか」と考えるようになりました。医師不足解決の前にその地域の経済が潤う必要があるように私は感じます。

私たちの行う動物実験にも莫大な税金がかかっているのだと感じます。今後の実習においても莫大な税金がかかっているでしょう。その税金は国民が払っているものだった気がするので、一つ一つの実習を無駄に出来ないと感じます。