学部導入セミナー(6月17日)
6月17日の学部導入セミナーでは医療倫理について学びました。授業で出てきた具体例でいうと、リスボン宣言やヘルシンキ宣言です。
次の導入セミナーの予習内容になりますが、紀元前4世紀のヒポクラテスの誓いでは
1.患者の利益のために最善をつくす 2.患者に有害な方法はとらない
3.依頼されても致死的な薬は与えない 4.堕胎のための道具は与えない
5.自分の専門以外はその専門家に任せる 6.診療以外ではいたずらに患家を訪れない
7.性別や身分による差別をしない 8.知り得た患者の医療上・生活上の秘密を守る
となっており、インフォームドコンセント(次の授業でやる予定です)の考えはなく、「医療者が患者のために最善を尽くす」といったパターナリズムとなっています。
一方、リスボン宣言では次のようになっています。
1.良質の医療を受ける権利 2.選択の自由(セカンドオピニオン)
3.自己決定権 4.意識喪失患者 5.法的無能力者
6.患者の意思に反する処置と治療 7.情報に関する権利 8.秘密保護に関する権利 9.健康教育を受ける権利 10.尊厳性への権利 11.宗教的支援を受ける権利
この二つを比べてみましょう。両方の8個目において、秘密を守るということは共通しています。他にも共通するようなことがあるように感じますが、個人情報を守らなければならないという考えが紀元前4世紀にはもうあったのだと考えるととてもすごいことだと考えます。現代でさえ、個人情報に関しては2003年に個人情報の適切な取り扱いと保護について定めた法律である、個人情報保護法が制定されたばかりです。
これを考えると、倫理などについては大昔のものであってもきちんと学んでそれについて理解しないといけないと感じました。こんな大昔のものでも現代に通用するものがたくさんある気がしてきました。